インターネットを使っているとき、私たちはよく「ウェブサイトが遅い」と感じることがあります。この遅さの原因の一つは、HTTPというプロトコルにあります。HTTPはウェブサイトとリクエストをやりとりするための約束ごとですが、これが進化して「HTTP/2」と呼ばれる新しいバージョンが登場しました。この新しいプロトコルがどうして速いのか、そしてどのような仕組みなのかを簡単に解説します。
HTTP/1.1との違い
HTTP/2の前は、HTTP/1.1という規格が主流でした。HTTP/1.1の特徴は、同時に一つのリクエストしか処理できなかったことです。例えば、ウェブサイトにたくさんの画像やスタイルシートが含まれている場合、HTTP/1.1ではそれらを一つずつ順番に取得するため、ページの読み込みが遅くなってしまいます。
一方、HTTP/2では、複数のリクエストを同時に処理できる「 multiplexing」という技術が使われています。これにより、必要なデータを同時に並行して受け取ることができ、全体の読み込み速度が格段に向上します。
HTTP/2の特徴
特徴 | 説明 |
---|---|
多重化 | 複数のリクエストを同時に処理できる |
ヘッダー圧縮 | データの通信量が少なくて済む |
サーバープッシュ | 必要なデータをあらかじめ送ることで、読み込み時間を短縮 |
このように、HTTP/2は昔のHTTP/1.1に比べて非常に効率的であるため、ウェブページの読み込みが速くて快適になります。
なぜHTTP/2が大切なのか
ウェブサイトが速いと、ユーザーはイライラせずに快適に情報を得ることができます。また、速いページの読み込みは、検索エンジンの評価にも良い影響を与えるため、ウェブサイトの運営者にとっても重要です。
まとめ
HTTP/2は、インターネットのスピードと使いやすさを大幅に向上させるための新しい技術です。これにより、私たちがウェブサイトを利用する際の体験は、これまで以上に快適になるでしょう。
mod http2 とは:mod_http2とは、ウェブサーバーで使われる「HTTP/2」を実装するためのモジュールのことです。HTTPとは、ウェブページを表示するために必要な通信のルールのことです。HTTP/2はその進化版で、従来のHTTP/1.1と比べて速さや効率が大幅に向上しています。これにより、ウェブサイトの表示が早くなったり、大量のデータを効率よくやり取りできるようになります。たとえば、イメージや動画などが一度に読み込まれることで、ウェブページがスムーズに表示されます。また、同時に複数のリクエストを送れるため、通信の待ち時間が少なくなります。これが特にスマートフォンなどのデバイスでのウェブ体験を向上させています。mod_http2は、Apacheという人気のあるウェブサーバーソフトウェアに統合されていて、サーバーを運営する人が簡単に設定できます。つまり、誰でも手軽に最新の通信技術を利用できるのです。これからのウェブは、より速く、より快適に進化していくことでしょう。
ウェブサーバー:ユーザーのリクエストに応じて、ウェブコンテンツを提供するコンピュータプログラムやシステムのこと。HTTP/2はウェブサーバーとクライアント間でデータをやり取りする際に利用される。
HTTP/1.1:HTTPの、それ以前のバージョンであるプロトコル。HTTP/2はこのプロトコルの改良版で、データの転送がより迅速かつ効率的に行えるようになっている。
通信速度:データが送信される速度のことで、HTTP/2の利用により、ウェブページの読み込み時間が短縮される。また、複数のリクエストを同時に処理できるため、通信効率も向上する。
マルチプレクシング:HTTP/2の特徴の一つで、複数のリクエストを一つの接続で同時に送信する技術。これによりリソースの読み込みがスムーズになる。
ヘッダー圧縮:HTTP/2で導入された、通信におけるデータのヘッダー部分を圧縮する技術。これにより、通信データ量が減少し、速度が向上する。
TLS:Transport Layer Security(トランスポート層セキュリティ)の略で、データの暗号化を行うプロトコル。HTTP/2はセキュリティを向上させるためにTLSとの併用が推奨されることが多い。
ポート:サーバーが異なるサービスを提供するための入口のこと。HTTP/2は主にポート443(SSL/TLS通信)で利用されることが多い。
ウェブブラウザ:インターネット上のウェブページを表示するソフトウェア。現代の多くのウェブブラウザはHTTP/2をサポートしており、ユーザーはより快適にページを閲覧できる。
HTTP/2:HTTPの第2版で、ウェブサイトの読み込み速度を向上させるために設計された通信プロトコル。
QUIC:Googleが開発した、TCPの代わりに使用される新しい通信プロトコルで、低遅延を実現する。HTTP/2をベースにしている部分がある。
SPDY:Googleが提唱した通信プロトコルで、HTTP/2の前身として速度向上を目的としています。
ウェブ最適化:ウェブサイトの表示速度や効率を向上させるための方法や技術の総称。HTTP/2もその一部。
プロトコル:データの通信ルールや手順を定めたもので、HTTPやHTTP/2はその一例。
ストリーミング:データを小分けにして順次送信し、即座に再生できるようにする技術で、HTTP/2の特徴の一つとして利用されることがあります。
HTTP:HyperText Transfer Protocolの略で、ウェブブラウジングで使用される基本的な通信プロトコルです。
HTTPS:HTTP Secureの略で、HTTPにSSL/TLSという暗号化技術を追加したものです。これにより、データの安全性が向上します。
Webサーバー:ウェブサイトをインターネット上に提供するためのサーバーです。HTTPを使用してブラウザと通信します。
ブラウザ:ウェブサイトを閲覧するためのソフトウェアです。HTTP/HTTPSを使用してWebサーバーからデータを取得し、表示します。
サーバープッシュ:HTTP/2の機能の一つで、クライアントが必要とする前にサーバーがリソースを送信することを指します。これにより、ページ表示が速くなります。
multiplexing:HTTP/2の特徴の一つで、複数のリクエストとレスポンスを一つの接続上で同時に処理できる技術です。これにより、効率的な通信が可能になります。
ヘッダ圧縮:HTTP/2で導入された仕組みで、通信時に送信されるヘッダ情報を圧縮することで、データの転送量を減少させることができます。
QUIC:Googleが開発した新しい通信プロトコルで、HTTP/2の上に成り立ち、高速かつ安全な通信を実現することを目指しています。
低レイテンシ:データの送受信が迅速に行われることを指します。HTTP/2では、接続の効率化により低レイテンシが実現されます。
セキュリティ:HTTP/2は、通信の暗号化やデータの完全性を重視しており、セキュリティ面での強化が図られています。
TCP:Transmission Control Protocolの略で、インターネット通信に用いるプロトコルの一つです。HTTP/2はこのTCPの上で動作します。
http2の対義語・反対語
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