「イベントソーシング」という言葉は、データの保存方法や処理の技術に関連しています。簡単に言えば、アプリケーションが行ったすべての処理を「イベント」として記録し、その情報を使ってアプリケーションの状態を再構築する仕組みを指します。
イベントって何?
ここで言う「イベント」とは、何かの行動や出来事を示すものです。例えば、オンラインショップで「商品をカートに追加した」という行動が一つのイベントになります。このイベントは時間とともに記録され、後でたどることができるのが特徴です。
イベントソーシングの基本概念
イベントソーシングでは、アプリケーションの全ての変更はイベントとして保存されます。これにより、アプリケーションの現在の状態は過去のイベントを基にして再構築できます。つまり、データベースのデータを直接保存するのではなく、そのデータがどう変化してきたのかをすべて記録するのです。
イベントソーシングのメリット
メリット | 説明 |
---|---|
履歴管理 | 過去の全てのイベントが記録されているため、いつでも履歴を確認することができる。 |
デバッグが容易 | イベントの記録を基に問題の原因を追いやすく、修正もしやすい。 |
スケーラビリティ | データの量が増えても、過去のイベントをもとに処理を分散して行えるため、負荷を分散しやすい。 |
複数のコンシューマー | 同じイベントを基に異なるアプリケーションを作成できるため、再利用性が高い。 |
具体例で見るイベントソーシング
例えば、あるSNSアプリでの「友達追加」機能を考えてみましょう。この操作が行われたとき、「友達を追加した」というイベントが記録されます。このイベントを元に、ユーザーの友達リストを再構築できるのです。これにより、何がいつ追加されたのかが明確になります。
<h2>まとめh2>イベントソーシングは、アプリケーションがどのように動いているのかを明確にし、過去のデータを簡単に追跡できるようにするための強力な手法です。特に、データの履歴を重視するようなアプリケーションには非常に適した方法と言えるでしょう。
状態:イベントソーシングでは、アプリケーションの状態をイベントとして記録します。過去のイベントを追跡することで、いつでもその時の状態に戻ることができます。
イベント:状態の変化を表すもので、ユーザーの操作やシステムの動作によって発生します。これらのイベントが全て記録され、アプリケーションの動作を再構築する基盤となります。
アグリゲート:イベントソーシングにおけるデータの集約単位です。関連するイベントをまとめて管理し、アプリケーションのビジネスロジックを実行する際に使用されます。
リプレイ:蓄積したイベントを順に再実行することで、過去の状態を再構築するプロセスです。これにより、デバッグや分析が容易になります。
永続化:イベントソーシングでは、発生したイベントをデータベースなどに保存するプロセスを指します。これにより、アプリケーションの状態や挙動を保持することができます。
CQRS:Command Query Responsibility Segregationの略で、イベントソーシングと組み合わせて使われることが多いアーキテクチャパターンです。データの書き込みと読み込みを分離して、効率的な処理を実現します。
スナップショット:イベントの蓄積により、全てのイベントを読み込むことが重くなることがあります。これを防ぐために、特定の時点での状態を「スナップショット」として保存し、効率的に状態を復元する手法です。
疎結合:イベントソーシングでは、異なるコンポーネントやサービスがイベントを通じて通信するため、アーキテクチャが疎結合になります。これにより、各コンポーネントが独立して進化しやすくなります。
イベントストレージ:イベントソーシングのプロセスで生成されたイベントを保存するためのストレージシステムを指します。
状態保存:特定の状態をイベントとして記録する手法で、イベントソーシングの基本的な考え方に関連しています。
キューイング:イベントを生成した後に、それを処理するための順番を管理するプロセスで、イベントソーシングと関連しています。
CQRS:Command Query Responsibility Segregationの略で、イベントソーシングと併用されることが多いアーキテクチャの手法です。
アグリゲート:複数のイベントをまとめて管理するための概念で、イベントソーシングにおいて重要な役割を果たします。
イベント駆動アーキテクチャ:システム内で発生したイベントに基づいて処理や反応を行うアーキテクチャスタイル、イベントソーシングがこのスタイルに従っています。
イベント:何らかの出来事やアクションを指します。例えば、ユーザーがボタンをクリックする、データが更新されるなどがイベントです。
ソーシング:情報やデータの取得・収集という意味です。イベントソーシングでは、イベントをソースとしてデータを再構築します。
状態:システムやアプリケーションの現在の情報や状況を指します。イベントソーシングでは、過去のイベントをもとに状態を完全に再構築できます。
コマンド:システムに対する指示や要求です。ユーザーが何かをするための要求をコマンドと呼びます。イベントソーシングでは、コマンドがイベントに変換されます。
リプレイ:過去のイベントを再生することです。これにより、特定の時点のシステムの状態を再現できます。
アグリゲート:関連するイベントをまとめたもので、特定のビジネスルールを持ったオブジェクトとして扱います。アグリゲートを使用することで、複雑なデータ管理が容易になります。
CQRS:Command Query Responsibility Segregationの略で、コマンドとクエリの責任を分けるアーキテクチャパターンです。イベントソーシングと一緒に使われることが多いです。
ストレージ:イベントデータを保存する場所です。イベントソーシングでは、すべてのイベントをストレージに保存し、必要に応じて再構築します。
イベントハンドラ:発生したイベントに対して何らかのアクションを実行するプログラムの部分です。イベントが発生した際に、関連する処理を行います。
スナップショット:ある時点におけるシステムの状態を保存したものです。イベントソーシングでは、イベントが多くなるとリプレイが重くなるため、スナップショットを使って効率化することがあります。